山口県は道路がとても綺麗に舗装されており、車が走りやすいです。
IKEMAさんもおっしゃっていましたが、他所の県から来た人がびっくりするほどです。
しかしその反面、スピードを出しすぎる車が多いのも事実です。
私は大阪で生まれ育ちましたが、大阪人って案外スピード出さないんですよね。
大阪の場合は信号機が多く設置されていたり、警察の取締も多かったり、当たり屋という恐ろしいトラップもあったり、そもそも道が混んでいてスピードが出せない仕組みになっているというのもあるのですが…
山口へ来て驚いたことは、大阪人よりもみんな急いでいるという事です。
田舎の人はスローライフでのんびり暮らしているイメージですが、全然のんびりじゃありません。
「みんな何にそんなに追われてるの?」
と思うほど、ガンガンに飛ばします。
山口では40km/hの道路を平気で80km/hとかで走ったりします。
被害を被るのはエアバッグで守られたドライバーではなく、生身の動物や人間
アクセルって踏むだけなので、簡単にスピードが出せてしまいます。
杖をついて歩くヨボヨボのおじいちゃんおばあちゃんでも、かけっこではビリだった運動オンチでも、車に乗ってアクセルを踏めば100km/hで移動できます。
しかし、スピードを出すということは自分が凶器になるという事をもっと知ってもらいたいです。
もし事故が起こった時、その被害を被るのはエアバッグで守られたドライバーではなく、生身の人間や動物たちです。
死ぬのはドライバーではなく、平和に道で遊ぶ子供たちや猫たちなのですから。
単純計算:スピードが2倍になるとリスクは4倍になる
さて、理科の時間です。
スピードが2倍になるとリスクは4倍になります。
これについて説明します。
スピードが2倍になると時間は2分の1に短縮できる
例えば自宅から目的地まで10kmの距離があったとします。
信号待ちなどの計算を入れずに、単純計算すると、車で時速50kmで走ると12分でつきます。
時速100kmで走ると6分でつきます。
つまり2倍のスピードで走ることで時間を2分の1に短縮することができます。
スピードが2倍になると衝撃は4倍になる
衝撃はどうでしょう?
これについては運動エネルギーの計算が当てはめられます。
1トンの車が時速50kmでぶつかった時の運動エネルギーは125万ジュールです。
1トンの車が時速100kmでぶつかった時の運動エネルギーは500万ジュールです。
速度が2倍になると運動エネルギーは4倍になります。
つまり、ぶつかった時の衝撃はスピードが2倍になると衝撃は4倍になります。
これは高校で習う物理の法則です。
メリットは2、リスクは4
2倍のスピードを出して得られるメリットは2です。
対して、負うリスクは4になります。
上記例の場合、たった6分の時間を短縮するために4倍のリスクを負ったことになります。
これは別の例えを用いるなら、近所のスーパーで打っている100円の品物が隣町のスーパーでは50円で売っていると聞きつけて、400円のバスに乗って買いに行くようなものです。
つまり、得られるメリットよりもリスクの方が大きい、得策ではないということです。
40km/hの道路には40km/hたる理由がある
日本の警察はバカじゃありません。
事故歴などの統計、あるいは日々鍛錬されたドライブテクニックから導き出される直感で、その道路が何km/hの道路かが定められています。
制限速度はいじわるで定められているのではありません。
40km/hの道路には40km/hたる理由が、30km/hの道路には30km/hたる理由があるのです。
確かに、スピードを出しても必ず事故が起こるわけではありません。
それゆえ「スピードを出しても事故さえ起こらなければいい」という考え方になってしまいがちです。
しかし、40km/hの道路を80km/hで走っていた場合、急に飛び出してきた人や動物を避けられる可能性は極めて少ないといえます。
おわりに
何かを犠牲にしてまで、そんなに急ぐことってありませんよね?
そんなに早く目的地について、何をするのでしょうか?
車がない時代はみんな歩いていました。
ほんの100年前には自転車すらありませんでした。
時速30km/hであっても、それだけのスピードで移動できるということは、とても恵まれたありがたい事なのです。
人間がマラソンで時速30kmを維持できたら世界記録ですからね。
それで十分じゃないですか?
足るを知りながら、安全運転、無事故無違反を心がけたいものです。
スピードが出したいならサーキットへ行けばいい
スピードを出したり、競争がしたいなら、山口にも周南の「はだし天国サーキット」や萩の「萩アクティビティパーク」などのサーキットがあります。
スピードを味わうなら公共道路で違反するのではなく、そうした施設を利用して、スポーツとして楽しんだほうが健全です。
愛猫が道で惹かれたのを見て猫たちを守るシェルターを作った旅館「てしま旅館」
山口市南部の阿知須にある「てしま旅館」の店主の手島さんは愛猫が旅館の前で車に惹かれた事に心を痛め、クラウドファンディングで資金を募り、猫庭と猫シェルターを作り、猫を保護しています。
旅館では猫たちが戯れる姿が見られます。